2016年08月24日
地蔵菩薩祭典
我が生まれ育った仁間集落に、古くから地蔵さまが祭られている。角沢街道と酒田街道のちょうど交差する当たりに小さなお堂があり、その中に素朴な木彫りの地蔵さまがいらっしゃる。


この地蔵さまは「夜泣き地蔵」として昔から有名なのである。
地蔵さまが夜になると泣きだすのではない。
夜泣きしてどうにもならない幼児の枕元に置くと、不思議と夜泣きが治まるのだ。夜泣きに悩まされた親がこの地蔵さまを自宅に借りて行く、レンタル地蔵。
実際、未だに噂を聞いて借りにくる。地蔵さまは子どもを守る神様、いや菩薩様。
その地蔵さまのお祭りは毎年あり、今年はその当番に当たった。以前は親が行っていたので、今回は初めての仕事。
8人いるはずの当番のうち、出てくれるのは三人だけ。当番は当日の朝、地蔵堂を掃除し、御馳走を作って夕方に集まる。ゴザをしいて御馳走を並べ、御神酒を用意してお参りにくる人を待つ。
三々五々やって来るのは、子どもとその親(主に母)。
地蔵さまに菓子を奉納し、持参した蝋燭に点火し祈る。
それから御神酒をいただき、用意された御馳走を食べて談笑する。

近年に引っ越してきた家族の参拝は少ない。今後の継続も危ぶまれる。
あたりがすっかり暗くなり、お勤めは終了。かつては旧暦の8月24日は祭典だったが、現在は毎年8月23日となっている。